1. プログラム概要
以下に示す若い人材を育成するために、現在の国際流域環境研究センターを運営主体として2004年4月に博士課程・国際流域総合水管理特別コースが開設され、これをさらに発展させる形で、2009年4月に修士課程・国際流域環境科学特別教育プログラムが開設された。 2016年4月に、修士課程と博士課程が連結した本学の4つの特別教育プログラムの一つとして発展。 流域センターの世界レベルの先端研究と連動した教育、世界の地域に貢献するための実践的なテーマと方法、多国籍の学生が共学する学習環境が特徴である。 昨年度までに、修士課程は136名が入学・109名が修了、博士課程は108名が入進学・84名が修了し、多くの修了生が博士課程進学の他、国内外の環境・水防災系コンサルタント・調査分析・プラント等の企業、環境・水防災部門を持つ行政・研究機関で活躍している。
2. 教育理念
本学が推進する流域環境科学分野において、社会の要請に応える実践的な高度専門職業人を育成するとともに、それを実現する融合的な学術領域を先進的に創生するために実施するプログラムである。 洪水や渇水の可能性、水資源の保全と最適配分、汚染の発生源と発生機構の解明、地域に適した飲料水や排水の浄化技術の開発、健康や社会経済的影響の評価など、数多くの水・環境問題に立ち向かうために、国や地域の多様性を理解したうえで、地域固有の問題を抽出し、その解決を社会に実装できる能力を育成する。 この特別教育プログラムは、主として工学と生命環境学の横断と両分野からの入進学を意識した、充実した教育内容になっている。 また、修士課程と博士課程の連結や国際性の強化を視野に入れているため、科目構成、修士博士同時開講、英語対応などの教育方法にも特徴がある。
3. 教育目標
- 上記の理念を実現するために、以下に示す力を養うことを目指す。
- 風土と文化の多様性、地域の発展段階に応じた望ましい未来像とその実現に向けた道筋と方法論を創造することができる。
- 流域環境問題を理解するための幅広い知識を修得し説明・活用できる。
- 環境データを取得、分析し可視化する基礎技術
- 環境と地域計画及び健康の関係についての基礎知識
- 水工学または水質学または微生物学・処理工学の基礎知識
- 上記の問題と持続可能な開発の関係を理解し、その解決策を社会に実装するための計画、実行、評価のサイクルを自立して行うことができる。
- 情報の収集と発信を通して、広い視野を持って自らの専門を多様な分野で応用・展開することができる。
- 国内外における協議と調整を通して他者との合意形成を図ることができる